窓から秋風が迷い込み
ひゅるり翻しまた帰る
冷たくなった匂いが
喉を通り染み渡る
木の葉が次第に紅つけて
人はうっかり見上げては
頬を染めて歩く
日々の雑踏の中を
凸凹道は歩きにくいが
足裏はその感触を
忘れることはない
木枯らし味方に今日もゆく
雀は次第に鞠のように
寒さと共に丸くなってく
暖かい夜食を運んだ車の
音色が街を照らす
凸凹道は歩きにくいが
足裏はその感触を
忘れることはない
木枯らし味方に今日もゆく
風の向こうで人たちは
暖かく寄り添いあって
手を取り合って
励まし合って
木漏れ日を歩く
凸凹道は歩きにくいが
足裏はその感触を
忘れることはない
木枯らし味方に今日もゆく